曹洞宗のお授戒 Handing down the precepts
曹洞宗のお授戒
日本史上初めての登壇授戒
「日本における律宗の開祖 鑑真 が754年(天平勝宝6年)、平城京に到着し聖武上皇以下の歓待を受け東大寺に住侍することになりました。同年4月、鑑真は東大寺大仏殿に戒壇を築き、聖武上皇、光明皇太后、孝謙天皇から僧尼僧まで430余名に菩薩戒を授けた。これが日本で行われた最初の登壇授戒である」と、されています。
修証義第三章「授戒入位」より
曹洞宗のお授戒
曹洞宗において授戒会(じゅかいえ)は、難値難偶で最勝の法要儀式です。
現在は両本山(永平寺/総持寺)で毎年4月に一週間かけて開催されておりますが、地方の寺院では開催される事は非常に難しく、なかなか出会う事が出来ない行事(修行)であります。
「授戒(じゅかい)」とは、参加いただいた一般の方「戒弟(かいてい)」が、「戒(かい)」を自分の身に受ける事であります。
「戒(かい)」の事を私どもは「菩薩戒(ぼさつかい)」といいます。
この「菩薩戒」を受けることにより、仏教に帰依した人としての名(戒名)を持つことになります。
戒名とは、自分の菩薩名(仏としての称号)とご理解下さい。
キリスト教徒が洗礼を受けてクリスチャンネームをいただき、クリスチャンとなる事と似ているでしょうか。
仏教では人が亡くなるとお葬儀をつとめます。お葬儀とは亡くなった方を仏さまとして送り、そのご縁に感謝し、遺された人々を見守ってくださることを願う儀式であります。
生前授戒を受けていない方は、この時初めて戒名を授与されます。
本来、仏教では生前に戒名を持つ事(つまり自分の菩薩名を知っておく事)が重要とされています。
「授戒」とは、今を生きている私たちが仏教の教えに出会い、自分自身を謙虚に振り返り、命の尊さに目覚め、仏教徒として出発点に立つことです。
「授戒会(じゅかいえ)」とは「聞法(もんぽう)」(法を聞く事)と、三世(現在・過去・未来)諸仏や諸菩薩、歴代の祖師(お釈迦様から始まり28世菩提達磨大和尚~51世永平道元大和尚~54世総持瑩山大和尚~8?世の皆様のお師匠様まで)へ「礼拝(らいはい)」し、坐禅や皆様のご先祖さまへの供養で「お経を読む」などの「行」として実際におつめとめする「加行(けぎょう )」(実践修行をする)をする場の事を示します。
現在は両本山(永平寺/総持寺)で毎年4月に一週間かけて開催されておりますが、地方の寺院では開催される事は非常に難しく、なかなか出会う事が出来ない行事(修行)であります。
「授戒(じゅかい)」とは、参加いただいた一般の方「戒弟(かいてい)」が、「戒(かい)」を自分の身に受ける事であります。
「戒(かい)」の事を私どもは「菩薩戒(ぼさつかい)」といいます。
この「菩薩戒」を受けることにより、仏教に帰依した人としての名(戒名)を持つことになります。
戒名とは、自分の菩薩名(仏としての称号)とご理解下さい。
キリスト教徒が洗礼を受けてクリスチャンネームをいただき、クリスチャンとなる事と似ているでしょうか。
仏教では人が亡くなるとお葬儀をつとめます。お葬儀とは亡くなった方を仏さまとして送り、そのご縁に感謝し、遺された人々を見守ってくださることを願う儀式であります。
生前授戒を受けていない方は、この時初めて戒名を授与されます。
本来、仏教では生前に戒名を持つ事(つまり自分の菩薩名を知っておく事)が重要とされています。
「授戒」とは、今を生きている私たちが仏教の教えに出会い、自分自身を謙虚に振り返り、命の尊さに目覚め、仏教徒として出発点に立つことです。
「授戒会(じゅかいえ)」とは「聞法(もんぽう)」(法を聞く事)と、三世(現在・過去・未来)諸仏や諸菩薩、歴代の祖師(お釈迦様から始まり28世菩提達磨大和尚~51世永平道元大和尚~54世総持瑩山大和尚~8?世の皆様のお師匠様まで)へ「礼拝(らいはい)」し、坐禅や皆様のご先祖さまへの供養で「お経を読む」などの「行」として実際におつめとめする「加行(けぎょう )」(実践修行をする)をする場の事を示します。
身口意(しん・く・い)の三業
「業(ごう)」とは…?
ものごとは何でも「原因」と「結果」があります。その原因と結果の間にある「影響力」みたいなものが業です。原因に業(影響力)が及んで結果が生まれるわけです。
(原因)+(影響)=(結果)
仏教用語で言えば(因)+(業)=(果)
例)学生の入試では(入試【因】+ 勉強【業】= 結果【果】)
「身口意(しん・く・い)」とは…?
身(行動)、口(言葉)、意(思いや考え)
原因に応じて良い影響力を与えていけば(善業を積み続ければ)、結果は良くなるはずです。逆に、原因に悪い影響を与えていけば(悪業を積み続ければ)、結果はより悪くなるでしょう。だから自「業」自得といいます。
善い心構えをし、善い言葉を発し、善い行いをしよう…それが身口意の三業です。
貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)の煩悩
貪・瞋・痴は三毒と言われていますが愚かの連鎖反応とでもいいましょうか。もとは貪(とん)の場合がおおい。貪(とん)とは、お金がほしい、地位がほしい、ひとに好かれたい、成功したいなどの欲望。すなわち貪りです。自分のうつわ以上のことを欲してもなかなか手に入るものではありません。すると自暴自棄になって怒りがわいてくる。これが瞋(じん)つまり怒りです。怒って正常な判断ができなくなって愚かなことをしてしまう。これが痴(ち)すなわち愚かです。
・常に喜んで人の役に立つように心がけること。
・常に謙虚で、質素でも笑顔の耐えない環境に暮らすこと
・感情に流されず、人が良い方向に行くように常に祈ること。
・愚かな結果を招くような言動を慎むこと。
貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三毒を無くすことは出来ないですが、無くすよう努力する事は出来ると思います。
戒律(菩薩戒)
人間は正しい生き方をし、仏さまとの「約束」を守り、自発的に「仏としての行い(仏行)」を日夜実践することが大事です。大乗仏教ではこの約束を菩薩戒(ぼさつかい)と呼んでおり曹洞宗も菩薩戒を重んじています。そして、菩薩戒の内容を十六条立てて実践するべきだとされています。
十六条の戒法とは以下の通り
三帰戒《仏教徒としての生き方の根本理念》
帰依仏 | 仏教を開かれたお釈迦さま(仏やご先祖)を大切にしてまいります。 |
---|---|
帰依法 | お釈迦さまが説かれた教え(戒律や法律)を守って大切にしてまいります。 |
帰依僧 | お釈迦さまの教えを広める者(共に生きる家族)を大切にしてまいります。 |
三聚浄戒《菩薩戒の本質となる考え方》
摂律儀戒 | み仏の教えに従い、悪い行いは致しません。 |
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摂善法戒 | 教えにかなう善行に励み、良い行いを心がけいたします。 |
摂衆生戒 | 自他平等の利益を祈り、すべての衆生を救い助けます。 |
十重禁戒《「摂律儀戒」の具体的内容がこの十重禁戒である》
不殺生戒 | 殺す事なく命を生かし、無駄な殺生を行わない。 |
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不偸盗戒 | 奪うことなく与えるを喜び、人の物を勝手に手にしてはいけない。 |
不貪婬戒 | 誠の愛を育み、道を外れた色欲などに溺れない。 |
不妄語戒 | 真実を語り、嘘や偽りの言葉を口にしてはいけない。 |
不酤酒戒 | 妄執に酔わず囚われず、酒に溺れて自分を見失わない。 |
不説過戒 | 過ちを許し、助け、励まし、他人の過ちを言い触らさない。 |
不自讚毀他戒 | 自分を誇り、他人を謗ってはならない。 |
不慳法財戒 | 物心共に惜しまず分け与え、施す事を惜しんではならない。 |
不瞋恚戒 | 自他に備わる仏を忘れず、怒りに燃えて自分を見失ってはならない。 |
不謗三宝戒 | 仏法僧の三宝を敬い、不信の念を起してはならない。 |
懺悔(さんげ)
仏教における懺悔とは自分の過去の罪悪を仏や菩薩、師の御前にて告白し悔い改めることをいう。仏道修行者たちの間には、布薩(ふさつ)という行事があります。僧堂では半月ごとに略布薩を行い、礼拝を繰り返しながら懺悔をします。
懺悔分(さんげもん) | 我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう) 皆由無始貪瞋痴(かいゆうむしとんじんち) 従身口意之所生(じゅうしんくいししょしょう) 一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ) |
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読み下し文 | 我れ昔より造る所の諸の悪業は、皆な無始の頓・瞋・痴に由る、身・口・意従り生ずる所なり、一切、我れ今皆な懺悔したてまつる。 |
現代語訳 | 私が過去に行ったあやまちは、全て始めもわからない深い貪り、怒り、愚かさ(三毒)によります。それは身体の行い、口の行い、心の行い(三業)から生まれ起きたものです。全てを私は今、仏様に照らされて悔い改めます。 |
交通違反で捕まったとき、「運が悪かった。私よりもっと悪質な違反を取り締まるべきだ。次からは絶対に捕まらないぞ」と思います。このような反省を後悔と言います。後悔をした人は、また再びやる可能性があります。本当の懺悔は二度とやりません。そこが後悔と懺悔の決定的に違うところです。この反省では、仏教の懺悔(さんげ)になりません。自分のエゴを捨てて「失敗した、失言した」と自分の足元を素直に省みることが大切です。「同じ過ちを二度としない」と心に強く誓うのが懺悔です。
住職のひとりごと
授戒会を地方寺院で開催する場合、事前準備や練習に一年、企画構想の段階からすると約二年の歳月が必要とされる難関な修行のため、近頃では両本山以外では開催される機会が希薄となっております。近くのお寺で開催される機会があれば、是非菩提寺の住職さまに許可を得てご参加下さい。戒は重ねる毎に功徳が高まります。一度限りではなく何度でもお授戒に参加してください。