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わたしたちの宗派は 曹洞宗 Sect

曹洞宗の歴史

曹洞宗の流れは、インドでお生まれになられたお釈迦さまの教えを幾世代にも渡って祖師方が師匠から弟子へと受け継がれ、インドから中国そして日本に伝えられてきたものです。曹洞宗の源はお釈迦さまですからご本尊はお釈迦さまです。

曹洞宗では、お釈迦様から相続されてきた教えを継承し、日々精進して生活をすることを1つのテーマにしています。正伝の仏法をよりどころとしており、坐禅の教えを重んじるのが曹洞宗の大きな特徴です。日本で曹洞宗が広まったのは鎌倉時代です。京都に生まれた道元禅師が後に南宋に渡り、中国の禅僧である天童如浄から印可を得て日本へ帰り、京都府宇治市で興聖寺を開きます。そして福井県に大本山永平寺を開き、道元禅師は正伝の仏法と坐禅を人々に広めていきます。

人間は「本来仏の心を与えられており正しい生活をすることによって仏の心が現れてくる」と曹洞宗では考えます。苦しみの元になる自分勝手な考え方を改め、自分以外の人やモノのいのちを大切にすることで、「仏心」に近づくことができる、というのが曹洞宗の信仰です。したがって他人への思いやりや報恩感謝の心を大切にして精進することが、曹洞宗の指針と考えられています。

両祖

曹洞宗は大本山を二つ持っています。福井県にある永平寺と神奈川県にある總持寺です。私達が両親を持つように、道元さまの永平寺と瑩山さまの總持寺を両大本山とお呼びします。お釈迦さまの教えを日本に伝えられ、永平寺を開かれた道元禅師(どうげんぜんじ)「高祖承陽大師」(こうそじょうようだいし)と呼びます。石川県能都に總持寺(現横浜市)を開き、教えを全国に広められた瑩山禅師(けいざんぜんじ)「太祖常済大師」(たいそじょうさいだいし)と呼びます。このお二人の祖師を「両祖(りょうそ)」と呼び、お釈迦さまを合わせたこの三師を「一仏両祖(いちぶつりょうそ)」としてお祀りいたします。

経典

曹洞宗の基本経典は「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」「伝光録(でんこうろく)」

正法眼蔵とは…
道元禅師が20年以上の歳月を費やして仏教・思想・哲学・作法などを巻ごとに著した書物。
その深淵な思想によって日本仏教史上最高峰に位置する書物と称されるが、非常に難解な書物としても日本を代表とされる。

伝光録とは…
道元禅師のお弟子である瑩山禅師の説法を側近がまとめた書物。

曹洞宗の日用経典(普段のお勤めで読むお経)
修証義(明治時代に正法眼蔵から重要な文言を抜粋してまとめたもの)
般若心経(大乗仏教の奥義を漢字でまとめられたもの)
その他観音普門品、寿量品、神力品、参同契、宝鏡三昧、舎利礼文など

住職のひとりごと

年の初めのお正月
臨済宗の禅僧、一休禅師は「門松は 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と歌を詠みました。お正月の華やかなめでたさの裏には、数え年で数えると年明けと共に一歳年をとったことになります。

曹洞宗の僧侶は、正月に「遺偈(ゆいげ)」を書くことが習わしとされています。「遺偈」とは、僧侶としての在り方や生き方、禅の境地などを示す「辞世の句」のようなものです。限りのある命が何時尽きてもいいように、年の初めに「遺偈」を認める。

「生死即涅槃」、遺偈というのは死ぬ前の書置きではなく、日々の新しい自分を生きるための覚悟。死を考えることはどう生きるかを考えること。せっかく仏さまからお借りした身体、ありがたくボロボロになるまで使い切って最後には感謝してお返ししよう。